他人の物を自分の物にできる民法162条の巻

今日は取得時効について。
民法162条で、他人の物を20年間(10年の場合あり)ずっと持ってたら自分の物にできる。
といった内容の規定があります。
 
大学院時代に後輩が、この取得時効ねらいで無人の家がないか探そうとしてました。
けれども、世の中そんなに甘くはないのですね。
そもそも、無主物の不動産なんか国のものになっちゃうし・・・
 
俺が今狙ってるのは、友達に借りてる「ジョジョ」の漫画です。
しかしながら、借りてるので本当は取得時効によって自分の物にはできません。
それは、自主占有といって、きちんともらった物とか買った物とか、
相続した物とか、自分の物といえるような客観的事実がないとだめだからです。
この客観的事実に基づく場合の所持を、自主占有なんていいます。
そして、借りている場合なんかを、他主占有といいます。
つまり、取得時効を完成させるには自主占有でないといけないんですね。
 
「そんな事実があったら、それだけで自分の物やん」
 
そう思う人もいるでしょう。しかし、実は取得時効のポイントはたとえ売買契約が
取り消されて、本当は買った物を返さないといけないような場合でも、
時の経過によって自分の物にできてしまうってとこなんです。
つまり、売買契約が取り消されてお金を返してもらったものの、
買った物をずーっと返さなかった場合、
お金も返すべき物も自分の物になっちゃうんですねぇ。これが取得時効。
まぁ、そんなうまくはいきませんよ。世の中は・・・
 
ところが、どの民法の本にも載ってるのですが、盗人が盗んだ物については
自主占有が認められるんです。
 
そこで、宣言します。
 
 
ジョジョは盗んだことにします。ごめんなさい。
 
 
盗人ばんざーい!ヽ(▽ ̄ )乂(  ̄▽)ノ 盗人ばんざーい!
 
ところがどっこい、162条にはこうも書かれてます。
他人の物を「平穏に」持っていたなら、取得時効はOKよ、と。
ここで「平穏に」とは、暴力的に奪ってないことを意味します。
つまり、盗人にはこの要件によって、自分の物にはできないように
なっているんですね。
 
うまいことできてますね。別の手段を考えるとします。