株主と株式って、どんな関係?の巻

そんなことはポイして。最近、めっきり法科大学院生らしく、ちょっと専門的な法律の話になって、勝手に盛り上がってまいりました!!
残念ながら和俊専門ブログでなくなって、和俊がさみしそうにしてたな。ク―!!
そうだ。プロフィール変えとこ。
 

とゆーことで、今日も超重要な株式会社についてお勉強!!「株主と株式の関係」についてである。


株主。株式の所有者である。つまり、株式会社における社員としての地位を有する者である。そんな株主は、会社構成員ゆえに
 
ヽ(`△´)/「儲かったんなら、分け前よこせー!!」
 
とか、会社に対して色々請求する権利を持っている。
一方、株式は、この株主の権利とあいまって、色んな種類が制度上、用意されている。そこで、まずは株主の権利がどんなものかを理解する必要がある。
株主の権利は、大きく分けて2通り。
 

  1. 自益権
  2. 共益権

 
である。

  1. 自益権は、その名の通り、自分に直接利益のある権利。すなわち、会社から経済的利益を受けることを目的とする権利である。例えば、会社に対して利益配当を請求するのはこれ!
  2. 共益権は、自分のためだけではなく、むしろ株主みんなのための権利。例えば、社員が団体の経営に参加したり、業務執行の監督・是正をする権利である。

自益権は、自分の利益のためだけの権利である。そのため、その権利行使の効果が行使者以外の社員には及ばない。
反対に、株主みんなのための権利である共益権は、その権利行使の効果が行使者以外の社員にも及ぶのである。
 
自益権は、なんといっても、利益配当請求権!!これが重要。
「儲けたら分け前よこせ!こら!(゙ `-´)/ !!」って権利である。
 
共益権は、議決権!!これ重要。議決権とは、株主が株主総会の決議に加わる権利で、共益権の中核をなす。1株につき1個の議決権が認められる。
株主総会とは、株主によって構成される株式会社の意思決定機関であり、重要なことを多数決で決める集まりである。ホリエモン代表取締役辞めろー!!なんてことも、この株主総会では可能である。まぁ、その必要もなくなりましたが・・・(/_<。)
要するに、株主総会における議決権行使は、直接経営に参加しない株主が、経営者に口出しできることを意味するのである。

ちなみに、ライブドアの発行済株式総数は10億4942万45株。1株なんて、実はなんの意味もない。10億5000万人の有権者がいる国での1票分の投票権である。こんなの、日本の衆議院選挙における投票価値なんかより、一人当たりの1票の価値は全然低い。

 
しかし、1株でも株主総会に参加する権利はある。なんてたって、1株でも1個の議決権という点に変わりないからである*1。 
なお、1株でも株主は株主であるから、株主として認められている取締役の違法行為差止の請求権が認められる。株主のみなさんは、ホリエモンみたいな人を発見したら、じゃんじゃん裁判所に「1株やねんけど、悪いことは差止めやー!!」と、訴えて下さい(濫用に注意)。
 
その他、色々株主の方に権利が認められていますが、とにかく、自益権と共益権があるという点を押えましょう。

ちなみに、株式会社が、株主を、その有する株式の内容および数に応じて、平等に取り扱わなければならないという原則がある。これは、株主の個性に着目せず、株式の数に着目した合理的な取扱いをしなさいって意味である。株主平等の原則といい、会社法109条1項に明文化された。重要である。なぜなら、株主総会・取締役会で多数決で決定された事項も、この原則に反する場合には効力を否定されると解されているからだ。もちろん、原則に過ぎないので、例外はある。

ちなみに、株主には、権利だけではなく義務もある。もっとも、引き受けた株式の分はちゃんと出資しろよ!っていう義務だけであるのだけれども・・・まぁ、厳密には株主となる以前の義務ではある。
 
以上が、株主の権利関係である。
 

次は、株式。株式は、さっき述べた株主の権利を有するのが原則。ただし、その本来の株式と権利内容とは異なる株式を会社の根本規則である定款で定めることも可能である。この株式を種類株式といい、色んな種類の株を設ける事で、株を買って貰いやすくできるのである*2


これは、色んな種類がある。種類がある分、株主になりたい人は、その商品と自分の目的とを照らし合わせて、株式を購入することになる。
どんな商品があるのか?
例えば、
 

  1. 普通株
  2. 優先株
  3. 劣後株


なんてものがある。何が優先し劣後するのか?というと、配当の割合である。他の株式より配当額がよいのが優先株となるというわけ。つまり、株主の権利である配当請求権の幅を、制限するのか拡張するのか、という点で差別化を図るのである。
( ´^ิ﨟^ิ`)!!「はうっ!!とにかくやばい!!無理してでも株を買ってもらわないと!!」
なんて会社は、優先株というエサで株主を募集して、資金を調達するというわけである。
その他、トラッキングストックといって、株価や配当額が、会社全体ではなく、その特定部門の業績によって左右される株式もある。

日本では、ソニーがSCN(ソニーコミュニケーションネットワーク)を対象としてトラッキングストック発行した(上図でいえば、事業AがSCN)。
ソニーの種類株式として、100%子会社でインターネット接続サービス、コンテンツおよびプラットフォーム事業を手がけるSCNの業績と連動させる新株を発行したのである*3

 
以上は、自益権と関係する株式である。

これ以外に、議決権制限株式というのもある。さっき言った通り、1株1議決権。これが原則である。この議決権制限株式は、その名の通り、本来株主の権利である議決権を制限する株式である。共益権と関係する株式であるといえる。 取りあえず配当だけ欲しい人向けの商品でございます。経営に関して口出ししてほしくない経営者にとっても、メリットのある商品でございます。
 
このように、株式の種類は、株主の権利との関係で、色々あるのだ。

その他に、会社の承認がないと、買った株を有効にちゃんと売れない譲渡制限株式や、このような、株式の譲渡制限をしている会社においては、取締役なんかの会社の役員選びに差を付ける株式もある。
 
以上のように、色々バリエーションをつけた商品をそろえることにより、会社と出資者の都合の良い資金調達・出資ができるのである。
 
はうっ!Σ(・ω・;|||!!なんか、大枠だけにしようと思ったのに、結構ややこしいことに・・・
もっと、スパっとわかりやすくするように心がけよう。まぁ、そんな力がそもそもないって話ですが。はっはっは( p_q)
明日は、とうとう会社を動かす意思決定機関である、「会社の機関」についてなのさ!

*1:もっとも、単元株といって、そもそも会社が100株単位で売り出し、その100株で1つの議決権とする事もある。

*2:なお、株主平等の原則は、株式の内容自体については直接適用されない。各株式の内容に応じて平等に取り扱う以上、問題ない。そもそも、株式の内容が異なる種類の株式が存在している場合には、それに応じて異なる取り扱いとなることは当然なのである。それゆえ、種類株式は株主平等の原則における例外となるわけではない

*3:ラッキングストック発行で得た資金は親会社に入り、しかも、子会社株式を売却するという形ではないので、経営支配権を失わない状態を維持できるというメリットがある。