続!!平和大好き〜(  ̄▽)爻(▽ ̄ ) !の巻

うむ。あたくしも憲法9条はすばらしいと思うのである。こんな規定がすべての国が定めていたらきっと世界平和も夢ではないと本当に思うのであります。


しかしながら、残念なことに、これはやっぱり理想に過ぎないというのも現実。


憲法9条の精神とは何だと思いますか?


それは、平和への断固たる希求以外にないとあたくしは思います。


では、今どうやってその平和を実現すればいいのか?
つまり、平和という目的達成の手段はどうあるべきか?ということ。


ここで気をつけなければならないこと。それは、平和実現手段というものは、時代とともに変遷を経るものであるということであります。


今どうやって、平和を実現するのか?その手段は何なのか?


みなさんは知っているのでしょうか?極東アジアという日本の地理的な条件は極めて危険を有するところだということを。
日本海沿岸に沿って、北朝鮮という今最も危険でかつ何をしでかしてもおかしくない国がある。その国は、日本のすぐお隣さん。そして、中国、ロシアという軍事大国。いわゆる不安定の弧である。この地域的な問題は次のようなことが指摘されている。

  1. 大規模な軍事衝突が起こりやすい
  2. 力を伸ばす大国と衰退する大国が混在する
  3. 豊富な資源をもつ軍事的な競争相手が出現する可能性がある
  4. アメリカの基地や中継施設の密度が他の地域とくらべ低い地帯


このような実態は現にあるということを認識したら、少なくとも、憲法9条に反する自衛隊をなくして平和を実現しようなんて意味不明の発現はできない。むしろこのような発言内容は、平和を実現できる根拠は何もなくなってしまっているのではないのか?と言わざるを得ない。


やっぱり、日本人は平和がタダだと思っている人が多い。世界的にみたらそんな珍妙な人種!なんて感じかもしれない。
しかし、それは日本という自由を尊重する国だからこそ、思想の多様性があるということを意味しているともいえる。そういった点で言えば、本当に表現の自由は大切にされていて、いい国なのだと思う。


ただ、憲法9条に関していえば、おかしなことを言う人も多い。


憲法9条は、平和の願いが込められた。大切な規定」
↑ふむふむ。それはそう思う。


「でも、自衛隊は軍隊じゃないから、国民を守るためには必要不可欠なのです」
↑おいおい。自衛隊がやってることと、他国の軍隊がやってることはどう違うのよ?むしろ、世界的にみたら、トップクラスの物的な投資をしているのですよ。こんなでっかい軍隊は先進国以外ではそうないでしょ。


「いやいや。自衛隊は戦力に至らない程度の実力しかないから、守ることはできても、攻めることはできない。その程度の実力しかないのです。↑だから、自衛隊は、戦力にあたらないので憲法9条2項にも反しないのです」
おいおい。攻めてくる奴より実力がないと、守ることなんてかなわないだろ。そんなんで、国民を守るために必要不可欠の自衛隊が、国民を守れるのかよ?むしろ、守る実力は攻める実力よりもないと国民を守れないんだから、守る実力が攻める実力よりも下→戦力ではない。前提がおかしいだろ。


「やっぱり自衛隊憲法9条に反して違憲なので、自衛隊は即刻なくすべきだと思います」
↑おいおい。どうやって、自国の平和を維持するんだ?


「いまどき戦争なんてしかける国なんてありません。だから、軍隊なんて不要なのです」


思考停止。こうなったらもうお話をすることは無理なのである。危機管理ってのは、あり得ない危険を想定することからはじまる。
思考停止、つまり考えて想定することをやめた時点で、その人はしあわせになれるかもしれない。理想を求めれば、それで自己満足できそうである。それはそれでいいのかもしれない。そういう思想のまま、なんとかうまいこと戦争が起きない一生ならば、その理想は間違ってないまま終えることもできるかもしれない。


しかし、やっぱり思考停止したら、終わりだと思う。ナチスと同じ。ヒットラーの気持ちいい演説をドイツ人がそのまま100%受け入れて、思考停止してしまって、ユダヤ人が死んで当然と思ってしまうのと同じである。


では、何を考えるべきか?
それは、初めに言ったとおり、平和という目的達成のための手段を考えなければならない。
憲法9条の規定が、平和という気持ちを込められて作られたのだとすれば、今、どのような規定が最も平和を実現できるのか?果たして、憲法9条の規定が平和維持のために十分な規定なのかということを批判的に検討しなければならない。


ここで陥りやすい罠。ありがちなのだろうけど、憲法9条に規定の気持ちよさである。これは、共産主義=ありもしないユートピアを十分な理由もないままあると思いこんでいるのと同じで、とっても危険なのである
これについては↓参照
平和大好き〜(  ̄▽)爻(▽ ̄ ) !の巻(前編) 
平和大好き〜(  ̄▽)爻(▽ ̄ ) !の巻(中編) 
平和大好き〜(  ̄▽)爻(▽ ̄ ) !の巻(後編) 


たしかに、一見すると気持ちのいいことかいてある憲法9条。

第9条【戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

要するに、戦争はしないし、一切の戦力も持たない!ってことを謳った規定。
しかし、これで平和が実現できるのか?
単純な話である。

「俺はやさしい!いい男!!!!」

これと同じ。自称やさしい男にすぎない。そんなもん実際にそうかわからない。言うのは簡単である。

「日本は平和を守る!戦争しない!!軍隊持たない!!!!」


でも、攻めてこられたらどうすんの?言うだけで、攻めてこられないって保障はどこにあんの?


んなものは、ない。そう。ないのである。


憲法の規定が「平和になる」といえば、平和になるのならそれでいい。しかし、そんなに現実はあまくないのである。
そこで、政府見解は、「自衛隊違憲ではない!!合憲なの!」と言い張って、現実と理想のギャップを埋めている。
しかし、論理的に言えば、自衛隊違憲と考えざるを得ないのであるから、次のいずれかの結論となるべきであろう。

  1. 憲法9条は最高!だから、改正なんてダメ!したがって、違憲である自衛隊もなくせ!!
  2. 自衛隊は当然に必要な存在!違憲と考えざるを得ない憲法9条の規定には問題がある!したがって、自衛隊をおけるよう改正すべき!


要するに、自衛隊がいるかいらないかという問題となる。自衛隊がいるなら、憲法9条改正とならなければおかしいし、自衛隊がいらないなら、憲法9条はそのままで、自衛隊を解体すべきということにならないとおかしい。
これに対して、今までの政府見解が許せないところは、国民をバカにしすぎているというところである。やり方が汚い!!
明らかに憲法9条に反しているはずの自衛隊について、これは憲法9条に反していないから、この組織(自衛隊)はOKなんでありますよって言って、国民をだましだまし今日まできているのである。


きわめて、危険かつ汚い!!このような憲法の潜脱を認めてしまうのは、法の支配に反する状態を認めることと同じなのである。憲法を学んだ人間なら、この意味がわかるはず!
だから、こんな政府見解の解釈は許すことはできない。まぁ、現実とのギャップを埋めるのに苦心の策であったのだろうけれども、そのような場合の手続こそ、憲法改正手続であって、これを通じて国民の理解を得るべきである。そして、これでも無理なら諦めなければならない。戦争になっても国民を守るべき軍隊のいない国を国民が選んだのだから、それはそれでしょうがない。


最後に、あたくしの憲法9条に対する考え。


憲法9条が真に平和を願うものであるなら、その理想を実現できる規定に改正すべきだと思う。しかし、それは憲法9条の精神を捨てろという意味ではない。
今現在の憲法9条を維持することこそが平和の実現につながるという人がいるが、それはやっぱり理想における平和と現在における平和というものを混同した考えでしかないと言わざるを得ないのではないか?
今の憲法9条は、自衛隊なんてものを容認したものではない。立憲当初は、自衛のための軍隊は当然に保持できると考えて規定を置いたわけだが、やっぱり憲法9条2項の規定がある以上、それは無理な考えである。自衛隊のない国でも、平和を実現できる。そういう前提の下に規定されたと解さざるを得ない。それが憲法9条2項の規定である。
平和という理想に向かって行くためには、順序が必要なのである。戦争反対とか言うだけでは、平和は手に入らない。それが現実なのである。
理想を求めて、憲法9条保持して、自衛隊をなくしたあげく北朝鮮に全滅されたら理想も何もない。憲法9条の問題とは、実はそういう簡単な話だったりする。抽象的に理想を謳っても、具体的に現実の問題に対処して平和が手に入らなければ無意味な規定となってしまう。それが憲法9条なのである。


第二次大戦でたくさんの人が死んだ。その人やその家族は、本当に平和を希求していると思う。
そんな誰よりも平和を望む人が、今の状況で自衛隊を無くすことこそ平和につながると考えるのだろうか?
リアルに戦争の悲惨さを知っている人たちが、リアルに平和を願うのならば、きっと今の憲法9条は今現在の平和にはつながらないと言うのではないか?誰よりも現実の平和を願う人ならば、今の憲法9条はやっぱり理想に過ぎないこともわかっているのではないのか?そう思うところであります。


理想を大切にしたい。それはあたくしも同じ。でも、それは前文に思いを込めればいいのではないか?独立の条文としても、「軍隊を持たない」なんて規定の仕方は、やっぱり現実的ではないし、それで平和が実現できるわけではない。


端的にこうすべきではないだろうか?
「ニッポンは戦争を仕掛けることはない!!しかし、他国が攻めてきたら自衛隊は国民を守るため自衛権を発動する!!!!攻めてくる奴は(▼皿▼#)ユルサン!!」


平和の維持の仕方としては、国連中心がいいが、国連が機能していない以上、そんなに期待できない。
1番いいのが、極東アジアで地域的集団安全保障を確立することだけれども、北朝鮮、中国、ロシア、、、(-""-;)ムム・・・これも無理っぽい!
やっぱり、今のところ日米同盟しかない。


平和の実現はむずかしいのである。