試験直前。論文対策の覚書。の巻

論文で高得点を取るために必要なことは、

①出題の趣旨に合致している(=論点設定が適切である)こと
②法律知識が誤っていないこと
③必要最小限度の文章で、かつ、多角的に検討していること(特にあてはめ!)

このうち、②は要するに知識量でカバーできることを意味する。だから、②が最も簡単に(ただし、楽ではないが)レベルアップできる。
③は論文をたくさん書くことで経験値をためてレベルアップできる。
①も問題を解く量に比例してレベルアップすることが可能。


で、①から③って、結局
問題に合わせて既存の法律知識を適切かつ自在に使いこなせている能力があること
ってことに集約できる。択一も同じ。


ということで、結局、問題をいっぱい解くことが必要みたい。
今はそれしかやってない、というかそれ以上までできないけど……


あと、どれくらい書けば相対的に上位になれるのかが解れば、書く量とか内容も伸縮すべき場面を把握しやすくなるんだけど、これが難しい。
自分がいったいどれくらいのレベルなのか?どの程度周りの人間は書くことができるのか?といったことを把握しきれてないから。


この前返ってきた論文でも、書き終わったときは、
「んん。参考にすべき判例は知ってたし、それなりに書いたけど、毎度のことながら、最後の方は十分に検討しきれなかったぁ。」
って感じで、平均か、ちょっと上くらいかな?いやいや、最後の方は点数低いから、最終的には平均より下かも…
みたいな感じだったのに、
採点の結果はびっくりするくらい良かった(だいたい100人くらい受けてて、3位)。
逆に、今回は良い点数だろうなと思ったときでも、平均くらいだったりすることもある。
だから、自分のレベルや周りのレベルを把握するのは苦手。
ただ、経験則から、もっと書く量を工夫して、必要最小限度のことだけを書けるようにした方が点数が良いことはわかった。例えば、

  1. 1つの論証にあれこれこだわるより、簡潔な規範定立。
  2. 多角的な検討を踏まえたあてはめ。
  3. 問題とならない部分でねちっこく検討をしないこと。

こういうことの方が点数的には意味がある。
まぁ、わかっちゃいるけど、それができるかは別だぜ(泣)。


それにしても、司法試験って本当に嫌らしい試験だなと、つくづく思った。
法律知識があって、色々考察する能力があっても、それよりもむしろ事務処理能力の方が結果的には優先されている気がするから。
いっぱい勉強をして知識があっても、論文という書面審査で、かつ、1科目2時間という絶対的な条件があって、合格上位者は、良くも悪くも、結果として事務処理能力で点数を稼いでいる部分がかなり大きい。
事務処理能力は必要だと思うけど、優先順位がおかしい気がしなくもない。
加点方式で採点する以上、あれもこれも書いた方がいい!って発想が当初にはあったけど、そうすると、小さい配点のところで時間取って書いても、その反射的効果によって大きい配点のところを十分に書けなくなって、結果、加点されても微々たる点数に終わることになる。
これを回避する能力として、配点の大きい重要な問題部分を把握するってことが重要で、もちろんこれは事務処理能力とは別の法的思考の能力が試されるわけだけれど、同時に、それに従って配点のバランスを想定して書く分量も決めて処理するという事務処理能力の部分はかなり合否を左右しているような気がする。
2009年の刑法なんてえげつない問題で、各受験雑誌等で多くの教授たちが「ちょwこの量は時間内にはムリぽww」みたいなことを言わしめるほどだったが、矛盾なく時間内に答案にしただけで、かなりの高評価をもらえたりする。
でも、ヒアリング等で考査委員が受験者に要求する内容を答案で実戦しようとしたら、絶対に分量も時間も足りなくなる。何この矛盾。
しかし、


悲しいけど、これ2時間の論文試験なのよね


まぁ、事務処理能力っつっても、書くべきポイントがわかってないとできないことだから、適切な法的な能力は必要不可欠なわけだけど。