【司法試験】役立つ演習書――刑事訴訟法編①【参考書】

前回に引き続きおすすめの演習書などを紹介します。


ただ、一気に紹介するのは結構しんどいので、ちょっとずつ紹介しようかなと思います。


事例研究 刑事法 (2) 刑事訴訟法

事例研究 刑事法 (2) 刑事訴訟法

「事例研究刑事法2」は刑訴法の演習書です。
特筆すべきは執筆者が実務家中心という点。しかも、裁判官が結構多く、有名な人がいっぱいです。
そして、すぐれた実務家の考えた問題ということで、解説を読むと、かなり奥が深いことが書かれています。
特に、法規範のあてはめに関しては秀逸です。事実の分析をどうすればいいのかがわかります。試験対策としてかなり有効であること間違いなしです。
また、きちんと現在の議論もなされており、今年出た別件逮捕についても、きちんと実体喪失説を中心に解説されています。
現在の学会だけでなく、実務家においても実体喪失説を基軸にして問題を分析している以上、今年の問題のように、逮捕時とその後の身柄拘束を分けて論じるということは、もはや当たり前ということに気づかされます。
また、実況見分調書についても、すばらしい考察がなされており、有名判例の理解が進むような工夫もされています。
ただ、基本問題は少ないです。しかし、各設問の末尾に関連問題が載っていて、これも含めると最重要論点はほぼ網羅できます。
個人的にはそろそろ訴因が出る気がするので、これで訴因の問題をつぶすのもおすすめです。過失の態様とそれを基礎付ける事実の変更で場合分けしなければならないことがきちんと書いています。


過去問の分析が終わったら、まずはこれを回すことで、かなり力がつくはず!!
刑訴法は実務が重要ということで、この実務家中心の演習書を持っているだけで色々参考になります。