ニッポン放送の画策!?の巻(補論2)

うっちの理解は間違ってないから、大丈夫やと思われますぞ。
まぁ、このへんってすんごいややこしいねぇ。

従来は、

  1. 資金調達目的の新株発行ならOK
  2. 支配権維持確保目的なら×

っていうのが「主要目的ルール」だと考えられてて、実務上ではグリーンメイラーによる買収のケースにおいては、資金調達目的による新株発行と擬制的に認定して、新株発行は適法。ほんでもって、この場合は当然に支配権維持確保目的ではないよ。
って、こんな感じで、グリーンメイラーからの買収を阻止していた。これが、今までのやり方。


ところが、このようなグリーンメイラー的な買収を阻止手段の形式が高裁決定でより実質的になって変化したんですな。これがややこしいとこ。
すなわち、今回の高裁決定のややこしいところは、
支配権維持確保目的でも例外的に発行OKなこともあるのよ」
という形で、従来のグリーンメイラー的な買収を阻止することとしたところやと思います。


これは一見してみると矛盾と感じてしまうところ。支配権維持確保目的を認定しつつ、その場合においても、なお発行が許される場合があると高裁決定で言ったからです。従来は、2者択一で例外OKではなかったのです。
要するに、高裁では、第1に支配権維持確保目的を認定して、この第2に例外的に許容される事情の有無について検討し、第2の事情がなかったため、発行が許されなかったというストーリーができあがったということなのですな。
そして、第1の認定の際、「おまいら、上場してんだから、株主選んでるんじゃねぇよ」ってのも理由の1つとして挙げられてましたな。


あと、これは先生が言ってたことやけど、高裁決定の主要目的ルールは実は、結構厳しい基準だそうです。ニッポン放送の支配権維持確保目的をフジテレビに対する新株予約権の発行で認定しているからです。
すなわち、新株予約権では、行使しない以上は支配権の問題は生じないはずなのに、高裁はこの支配権維持確保目的だとして差止めたということから従来の直接的な新株発行よりも実質的かつ厳しく支配権維持確保目的を認定しているというのであります。
逆からいえば、新株予約権の発行でも支配権維持確保目的の認定が可能ということをも意味しているということでありますな。
そういう意味で言えば、主要目的ルールの支配権維持確保目的を拡張して緩やかに認定しているともいえますな!あぁ。うっちのいっていたのはこういうことか!!なるほどなるほど。


ただ、支配権維持確保目的が認定された以上、その例外事情の反証は会社が負うので、これが発行したい会社にとってはものすごくやっかいな要件ということですな。立証が大変だなと*1いうことが評釈では指摘されております。

また、ややこしいことを書いてしまいましたな。あたくしの理解は不完全でありますよ。お許し!!
&頑張ろうな!!

*1:特に目的という主観的要件の主張・立証