ややこしいゆえ、気付かぬうちに著作権侵害?の巻

一富士二鷹三茄子、まだ見てません。


ということで、著作権法に突入しますた。昨日、今日は過去問を検討中。


この過去問検討は、これから著作権法の勉強において、どこを重視して勉強すべきかということを予め設定する作業。
もちろん、答案化の勉強も兼ねている。が、それは勉強後に達成できればいいかなという程度。


【過去問検討の感想】
以外と、今の知識でも戦えそうなくらい。まぁ1回解いたことあるしな。
あまり特定の解釈論を展開しなければ解けないというものはない。頒布権の消尽とかメジャーな論点は判例で押さえれば足りる。
ただ、正確な条文・判例知識を反映できるようにしなければならないので、そこが問題。条文に関してはマイナーなところも押さえなければならない。


とはいっても、上位答案を検討すると、それほど暗記する量は多くない感じ。近年になるにつれてよりそういう傾向になっている。ほとんどが、条文に載っていることを書き写すようなもの。答案に書くべきは問題文と条文のみと言っても過言ではない。
問われている条文が細かかったりするのが難点だが、むずかしいってわけじゃない。典型的な条文適用場面を押さえれば大丈夫だ。H20年の問題でも「図書館」というキーワードが輝いて見えるようになれば38条4項にも気づける。


要するに、事案への正確な条文適用ができる能力が必要ってことか。
注意すべきは的外れな論点を書くこと。的外れなことを書き出すと収拾が付かず、しかもそんなところに配点が多く振られているわけもなく、したがってその結果、点取り合戦において敗北を帰す可能性がでかい。書こうと思えば結構なんでも書けるというところが著作権法のところゆえ要注意。
対処法はやはり正確な知識とその正しい使い方。武器収集のみではなく、熟練度を上げることが重要ってことか。


ゆえに、

  1. 配点の多く振られている論点=出題者が問いたいところについて、
  2. ①的確な事実引用→②正しい法的評価→③正確な条文適用

ができればすんなり上位答案になれそうな科目。まぁこれは他の科目も同じか。


よって、薄く広く基本を押さえて、条文が適用される典型例を押さえていく!


これだな。著作権法概論の本を舐めるように読み、判例集は知的財産法判例集を使って同時進行。判例数は60弱。これで楽勝(予定)。



そういえば著作権って権利は、持ってる人の数が最も多いな。みんな持ってる意識ないと思うけど。例えば、この日記1つにしても著作物だったりするし。なんつっても、コンピューター・プログラムとか建築物そのものも著作物だったりする。
ゆえに、侵害数も最も多い。このネット社会のご時世、著作権侵害ばっかりだ。

そういえば、今日、著作権法のニュースがあったな。

テレビ番組、ネット2次配信容易に 文化庁が法改正へ

 文化庁は、多数の権利者がかかわっているテレビ番組のインターネットでの2次利用を促進するために、著作権法の改正案を今国会に提出する。制作から時間がたち、出演者全員の許可を取るのが困難になった場合でも「裁定制度」ですぐに利用できるようにする。放送局や通信事業者が手軽に過去の人気番組をネット配信できるようになり、コンテンツ配信ビジネスを後押しする狙いがある。

 政府の知的財産戦略本部は昨年、デジタル市場や新たなビジネスモデルに柔軟に対応できる法制度の導入を提言。今回の改正案はその実現に向けた第一歩になる。文化庁は、より抜本的な法改正として、公正な利用であれば著作権者に無許可で2次利用できる「フェアユース」の規定を著作権法に盛り込む検討も始めている。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090224AT3Y2400124022009.html

裁定制度って今もあるだろ。文化庁長官の裁定を受ければ利用OKとかいうシステム。もっと簡単にするってことか?
そんなことよりも、とうとうフェアユース規定が来るのかー!!??
これはでっかい改正になるが、今の国会じゃ無理だろ。ってか、麻生やばいって、やばすぎだ。色々。


著作権侵害ってのはややこしい。
著作権って一言で言っても、その権利には大きく分けて2つあって、それが①著作財産権と、②著作者人格権
さらに、①著作財産権という権利は色々な権利のかたまりなわけで、たとえばコピーすることができるという複製権とか、こういう日記で著作物をHPにさらすことができる公衆送信権とか、そういう権利の束が著作財産権。
著作者人格権も同様に権利の束。つまり、この権利の中には、同一性保持権とか氏名表示権とかいう権利が包含されている。


ちなみに小室のお兄さんも著作権絡みで色々お世話になっているわけだが、あれは著作権侵害の事件じゃない。著作権がないのにあると嘘こいてお金を騙し取ろうとした詐欺事件である。


文章じゃややこしい。こんな感じ。




著作者はこれらの権利を行使することによって他人は勝手に著作物の利用(複製とか)を禁止できる。要するにこれらの権利は個々の利用に対する排他権ってこと。他人の利用を排するって意味で。


著作権って1つの権利ってわけじゃなくて、利用態様に応じて規定されてるものの束となったのをまとめて「著作権」っていってるだけ。


まぁ、ここまでなら簡単。要するに、著作財産権と著作者人格権いう権利の束に該当する行為をやってる奴は著作権侵害ってことだ。上の図を覚えればいい。


しかし、そう簡単にはいかない。
音楽を作ると、作ったミュージシャンにその著作権が帰属する。ゆえに、著作物たる楽曲をCDという物に複製することは著作者であるミュージシャン以外できない。
が、それではレンタルCD屋でCDを借りてダビングすることがみんな著作権法違反(複製権侵害)になってしまう。ちなみに、著作権侵害したら、民事上の損害賠償責任を負う他、懲役10年以下もしくは1000万円以下の罰金、場合によっては両方という刑事上の責任も科され得るという恐ろしい事態に発展しかねない。


余談だが、Get Wild小室哲哉作曲ゆえ、楽曲に関しては小室兄さんに著作権が帰属する。
が、著作権は物と同じく譲渡が可能なため、その著作権は所属する音楽会社に譲渡されるのが通例だ。ゆえに、
小室兄さん「おいらの著作権売るべ。」
って言っても、売れないわけで。泣けるぜ兄さん。



話を戻すと
著作権侵害には例外がある。侵害にならないという例外。例えば、私的利用の場合にはOKという権利制限の例外がある。これによりダビングOKということになり一安心。
しかし、この権利制限の例外が私的利用のみでなく結構ある。これが面倒くさい。
だって、著作権法をマスターするには、これらの権利を全部把握して、さらにそれらの権利が制限される場合も全部把握する必要があるから。

どれくらいって面倒くさいって

面倒くせぇ。面倒くせぇ。

息をするのも面倒くせぇ (ゲイラ発言「北斗の拳」引用) 。


これくらい



この面倒くさい理由は、権利制限が個別に色々あって、しかも例外の例外もあったりするため。
この面倒くさい個々の規定を包括的にやってのけちゃうのが、この「フェアユース」。
これは著作権侵害回避の最後の裏技なのだ。この裏技はアメリカではすでに認められた裏技だ。ちゃんとアメリカの法律で定められた裏技なのだ。
フェアユース」ってのは、


「俺の利用は公正なものだから著作物の自由利用しるっっっっ!!!!」


という意気込みマジハンパねえ主張を肯認するという、もう何でもありみたいな裏技だ。
私的利用じゃないから著作権侵害?そんなの関係ねぇ!!!!そういうことになっております。
権利制約の場面が、「利用が公正かどうか」ってだけで、私的利用じゃなくても公正であればOKというなんとも抽象的ゆえに範囲が不明確なものだったりする。ゆえに、日本では採用されていない法制度なわけだが、なんとこれを法制化しようと。こりゃビックリ。


ちなみに、今回の日記のように日経新聞のニュース記事を勝手にコピペしてブログに載せるのも複製権&公衆送信権侵害となるはずだが、これまた権利制限の裏技を使うことによって著作権侵害にならずに済む。


その裏技が、「引用」という方法。


つまり、俺の日記において引用記事として載せられた場合、著作権侵害にならない。どうだまいったか日経新聞め。
しかし、この「引用」といえるためには、①明瞭区別性と、②主従関係性という要件を満たす必要がある。
すなわち、①俺の日記と日経のニュースが区別してわかるようになってて、②俺の日記が主で、ニュース記事が従たる関係になっていること。これで安心して日経のニュース記事を利用することができるわけだ。


ゆえに、もう少し俺はニュース記事について語る必要がある。主従関係要件を満たすために。そう思ってる。


しかし、



息をするのも(略)



ということで、さようなら。