鼻血も出る。の巻

今日も一日隔離されながら勉強。現在夜中1時ですな。


前半は憲法
やっと憲法をやる時間を作った。

憲法基本判例を読み直す】

1 郵便法免責・責任制限規定と憲法17条の判例
毎年100件程度の法令が作られたり改正されたりしているが、戦後に最高裁憲法違反の法令と判断したのは第三者所有物没収事件を除くと8件程度。
で、この郵便法免責規定の違憲判決は6件目。



法令の規定のうち一部を違憲と判断。正確には、法令の意味の一部を違憲とする判断。一部のみを違憲とできるのは違憲部分と合憲部分が可分のときのみ。
憲法17条の法律による具体化は立法府裁量権に属する
 ↓もっとも
無制限じゃない
 ↓
郵便法免責規定は立法の裁量権の範囲内かどうか
という問題の立て方


憲法17条を具体化する法律の違憲審査基準は

当該行為の態様,これによって侵害される法的利益の種類及び侵害の程度,免責又は責任制限の範囲及び程度等に応じ,当該規定の目的の正当性並びにその目的達成の手段として免責又は責任制限を認めることの合理性及び必要性を総合的に考慮して判断

注意すべきは、幅がある基準なので、この基準で判断するときは、不法行為の態様や被侵害利益、侵害の程度等を
「具体的に示し、総合考慮の過程を明らかにすることが肝要」
と野坂泰司先生は言う。これはヒアリングのコメントと同趣旨。基準の設定よりも、その当てはめ方がちゃんと考えてなされているかってことがポイントだと。



2 事件性・司法権違憲審査制の判例
司法権」と「事件性」と「法律上の争訟」(裁判所法3条1項)をどう位置付けるか。基本だがややこしい。この位置づけで客観訴訟が司法権に属するかどうかという問題の捉え方も変わってくる。
【通説】
司法=具体的事件の法的解決作用=「法律上の争訟」の裁判
「法律上の争訟」=①当事者間の具体的な権利義務または法律関係の存否に関する紛争であって、②法令の適用により終局的に解決できるもの
 ↓しかし、裁判所法3条1項は

裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。

裁判所法3条1項後段で「その他法律において特に定める権限」(特別の権限)としているが、これは何かが問題=通説を前提とすると司法権の範囲外になる
 ↓つまり
司法権の対象≠客観訴訟
 ↓しかし
客観訴訟は、この特別の権限に該当するので、裁判所の判断事項とされている。


問題の所在は、通説を前提とすると司法権の対象以外である客観訴訟の裁判をする権限を裁判所に付与することが許されるのか。司法権以外の権利行使もなし得るのかということ。実質的意味での司法権以外は行使し得ないとなると、この裁判所法3条1項後段が違憲。で、選挙訴訟とか住民訴訟の裁判も裁判所はなし得ないということになる。
しかし、裁判所が客観訴訟をなし得ることに関して合憲という点で争いなし。結局どう合憲ということをこじつけるか。
野坂先生は
「司法=具体的事件の法的解決作用」
という通説を維持しつつ、
「事件」>「法律上の争訟」
と捉えて、客観訴訟のように「法律上の争訟」ではないが、「事件」には含まれると解して、この範疇に属する部分に関して、「特に定める権限」として裁判所は権限を有すると説明する。なるへそ。
「法律上の争訟」には属さないが、「事件」にが該当する分野に、客観訴訟以外に非訟事件や機関相互の権限争議なんかが含まれるとする。


警察予備隊違憲訴訟判決では、抽象的違憲審査権に関する判断がなされた。
最高裁を第一審としていきなり警察予備隊の設置を憲法9条に反し違憲として訴訟提起。

しかし

 最高裁判所が原告の主張するがごとき法律命令等の抽象的な無効宣言をなす権限を有するものとするならば、何人も違憲訴訟を最高裁判所に提起することにより法律命令等の効力を争うことが頻発し、かくして最高裁判所はすべての国権の上に位する機関たる観を呈し三権独立し、その間に均衡を保ち、相互に侵さざる民主政治の根本原理に背馳するにいたる恐れなしとしないのである。

として、訴えを一蹴。違憲審査権の発動は司法権の範囲内のみだから。

だめ押し的に

 要するにわが現行の制度の下においては、特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり、裁判所がかような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断する権限を有するとの見解には、憲法上及び法令上何等の根拠も存しない。

と言う。
が、「法令上何等の」根拠もないから抽象的に合憲性の審査ができないとするので、
法令で定めたらOK?
という疑問が生ずる。


が、野坂先生は、
「現行制度を基礎付ける憲法上も法令上も、根拠がないことを強調する意味合い」
に過ぎないと、本判例を位置付ける。
むしろ、この部分は、憲法81条の下での違憲審査権は事件性を前提として司法権の範囲内で行使されるべき権限であると説示した後で、「要するに」として、裁判所に「具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断する権限」があるか否かを示しているところ。このような権限について憲法上「何等の根拠も存しない」というのであれば、
「法令の制定によってこの権限を裁判所に付与することはできない」
と見るのが自然。


3 適正手続の保障と第三者の権利の主張の判例
ヒアリングによると、かなり多くの人が法令違憲適用違憲の理解が不十分だったみたい。
答案でもここは意識しなければならない。まぁ大丈夫か。


野坂先生は、この違憲判決を「処分違憲」判決と位置付ける。
法令違憲でないとする理由は、問題となった関税法118条1項は、犯罪に係る貨物等は第三者の所有物であっても、第三者が善意でない限り没収するということを定めたもので、これ自体は憲法上何の問題もないから。
適用違憲でもないとする理由は、適用違憲は合憲限定解釈が可能にもかかわらず法令の執行者が違憲部分を適用したのでその適用行為を違憲とするものだが、そもそもそのような法令の適用は法令の解釈適用を誤った違法があるとすればよく、法令自体に合憲性の疑いが皆無ならば、法令を違憲的に適用した国家行為=処分が違憲と判断すればよい。本判決はこの処分の違憲を判断したもの。
ただ、多数説は処分違憲適用違憲の一類型とするので、こう解するとやはり適用違憲判決の判例と位置付けることになる。

知財 特許法百選】

特許法も、今日の復習をやろうとおもったけど、以外とやりだしたらとまらんなぁ。
職務発明。これは今年出そうな予感。。。
職務該当性の要件。具体的な指示がなくても職務該当性の要件に該当する余地あり。
要件は、①職務内容からして使用者が期待するような発明で、かつ、②使用者も発明に寄与していること。
それから、職務発明に対する対価。
請求権の消滅時効は発明の承継時から起算。
さすがに、算定額については出ないか。


はぁ知財で一発当てるんなら、やっぱ職務発明か?
青色発光ダイオードは会社の寄与度が95%って認定されても和解金7億弱。弁護士の報酬が1割とすると7000万円。5%でも3500万円。すげえ事件だなぁ。
一審の職務発明の対価600億円ってのが維持されてたら、え、ええ、成功報酬が5%でも30億円?うおっ鼻血出てきた。



弁護士になりたい。