軽音を軽い音だと思う奴はとりあえずドリーム・シアター聴いとけ。の巻
「けいおん！」というバンドをテーマにしているアニメを見た。
結構はやっているらしい。
バンドをテーマにしているということで敬遠してた。見たらギター弾きたくなるから。
でも、俺も高校のときはバンドしかしてなかったから、懐かしくなって見てしまった。
またしてもタイタニック現象。期待して見ただけに、その期待を超えることはなかった。いや、おもしろくはあったけど。
ちょっとギタリストの話とか出てくるのかなぁ〜とか思ったけど、ほとんどなかった。
ジミー･ペイジとかジェフ･ベックとかは出てきた。おいおいジェフ･ベック押しすぎだろとかいうのはまぁいいか。あと、ギター弾ける新入生が入ってきてギター弾いてるときの映像がジミー･ペイジとロバート･プラントだぁとか。でも、ほとんどミュージシャンは話題に出なかった。
こういう漫画において、歴代のミュージシャンをどう位置付けるかって重要だと思う。が、まぁ大抵「えっ？」って感じになるから、こんな風に純粋に楽器やバンドに打ち込む感じをメインにしたのは気持ちよかった。
それにしても、ギタリストが、「ジェフ･ベックかそれ以外」ってのは誰が言ったんだ。たしかにピックつかわないでスゲーいい音でギター弾くし、「哀しみの恋人達」は名曲ですが。
哀しみの恋人達 - Cause We've Ended As Lovers (Stevie Wonder) Jeff" Beck
「けいおん！」は、主人公の女子が「軽音」を軽い音楽だと思いカスタネット気分で軽音部の部活に入部しようとするところから始まる（こういう奴にはドリーム・シアターを聴かせてやりたいなと思う）。
Dream Theater - Metropolis (When Dream And Day Reunite)
カスタネット1800個分の重みがきっとある。
いや、ドリーム・シアターは置いといて。
そんなふざけた動機だったが、主人公の女子はなんだかんだで軽音部に入部。なんだかんだでギターを始めることになる。
そして、25万のギターを購入。
もうね。ほんまふざけんなと。
今時の少年少女はなめてんのか。ギターに触ったことがないような奴が25万円だと！？ふざけやがって。
俺が中2の時にはじめて購入したやつは、ミニアンプとシールドもセットのやつで、39800円やぞ！4万円切ってます！！！！それでも、19800円のやつよりもがいいやつだと信じて頑張ったんだぞ！！！！ちなみに、音は19800円のセットも39800円そんなに変わらないということに気付いたのは大学のときでした（ピックアップが同じしょぼいやつだから）。
なのにいきなり25万円だと！！？？
俺が大学時代に「プロを目指してみないか？」って業界の人に誘われたときは、頑張っていいギター買おうって思って、それでも5万円のやつだぞ！！！！いや、定価は7万5千円くらいだったけど。それでも、俺よりもへたくそな周り奴が20万円とか30万円とかのギター持ってて、でもそんな奴らよりいい音だしてたんだ！！！！そういう奴に限って音作り下手で、もうギターがかわいそすぎる！こっちはね、もうね、エフェクターとかアンプとかでだましだましで頑張ってたんだよ！！！！
小娘ごときが25万なんて100万年はえーんだ！！！！バカヤロー！！！！
なんて小言をつぶやいてた。
だが、主人公は買ったギターを愛して、寝るときも一緒みたいなことになってて、俺もマイギターのことを愛してたなー、とか思いホッコリした。
中2の頃、音楽の勉強なんて一切してこなかった俺は、シグマって近所の本屋行って、エレキギターと楽譜の読み方の入門書を買ったのを今でもよく覚えてる。
そのとき買った本を見て興奮したことがあった。それは、エレキギターの音がギターの一本一本で微妙に異なるってことだ。その本には、少年の心をわしづかみにしてしまうようなことが書かれてたのだ。ギターは、木材を使ってるから、全く同じなものはなくて、そのため、弦をはじいた振動は微妙に鳴り方が異なる。だから、人それぞれ音の響きに違いが出る。しかも、ピックアップ（ギターの振動を電気で伝えるマイクの役割を果たす）でなんでああいうエレキギターの音が鳴るのかノーベル賞をとるような科学者も実は解らない。
そんなほんとかどうかも解らない内容が入門書には書いてあった。そのとき、「あぁギターって1つ1つ顔があるんだなぁ」なんて思って、「俺色のギターが欲しい！」とか興奮してたのが中2の夏だった。
だから、「あぁ、俺もギター買ったときはこんな風にギターを愛してたなぁ」って思いだしてしまいホッコリした。
主人公の女子がテスト勉強もしないで、ギターばっかり弾いてたため赤点を取るというのも俺はリアルに経験してきたので、「試験前ほどギターを弾きたくなる」という心境はすごくわかった。ちょっと勉強始めたんだけど、30分だけギター弾こうと思ったらすでに3時間経ってたとか。
そんなギター好き少女が1年ほどで結構うまくなっているのだ。まぁそんだけ好きで弾
いてたらうまくなるのは至極当然で、俺も1年目が1番上達したのを覚えてる。
ただ、俺はとにかく上達のためにも「基本が重要」と本に書いてあったことが頭にこびりついていたので、好きな曲を練習する前に毎日チューニング、スケール、オルタネイトの練習を30分はやってた。気がついたらめっちゃうまくなってた。亀仙人の修行みたいだ。
初心者にはチューニングをあまりしない人もいるけど、これは後々響いてくるってことを大学の時に知った。確かに面倒くさいし、はじめはそんなに気にならないことだが、ちゃんとチューニングすることによって耳コピも簡単にできるくらいに耳が上達する。逆に、いい加減なチューニングだとライブという本番でチューニングが狂っててものすごく不愉快な音を発してしまったりすることに気付いてなかったりもする。大学のときにそんなやばいバンドがあった。チューニングが多少ずれてるバンドは意外と多い。特にライブ中だと照明のため温度が急に上がったりするので、チューニングも狂いやすかったりする。ただ、大学の文化祭でみた後輩バンドのギターは酷かったからよく覚えてた。
それくらいチューニングに命をかけてる俺でもう俺がチューナーといってもいいくらいなのに、その主人公の女子はチューナーというアイテムを知らないという。
そんなアニメキャラにいちいちツッコミを入れざるを得ない俺は、他方であまり弦を換えないという怠慢っぷりも発揮しているため、チューニングどうこうといえる立場ではないかもしれない。だって、もったいないやん。切れる前に張り替えるとか。
そう思いつつも、やはりライブ前にはちゃんと弦は張り替えるのだ。だって、さびた弦の音と違って新品の弦はキラキラしていい音出るから。本番前にはちゃんと交換しないとダメだ。しかも、弦はのびるから本番3日前には交換しておいた方がよい。
にもかかわらず、主人公の女子はギターを買って以来1年間弦を張り替えていなかった。おいおい。
と、そこで、思い出す。
あ、そういえば、去年の9月にライブやった以来、俺も弦の交換してねーや！
司法試験のため、勉強ばっかりで弦の交換をしていなかった。だって交換したところで、ギター弾く時間ねーもん。
ということで、ひさしぶりにギター弾きたくなってきたから、弦の交換をすることを決意するに至る。
しかし、ここで問題が発生。
ペンチが見あたらないのだ。
あれ〜、どこにやったのかと、部屋を捜索すること2時間。
やっぱり、見つからない。
ただでさえ、トレモロがロック式で弦の交換がやっかいなのに、ペンチすら味方につけずに闘えと？
爪切りでやることに至る。
トレモロのところは、免許更新時にもらったちびまる子ちゃんの「交通の教則」という本を利用。こんなところで役に立つとは。
爪切りで弦を切った。おお、なんとかなった。
10か月ぶりくらいだけど、さすがにこなれてるな俺。
小1時間ほどで終了。ペンチ探しの時間を返して欲しくなった。
弦を切るのが面倒臭いので、先っちょは丸めた。
けいおん！で、「オクターブ・チューニング」というのが出てきた。
懐かしさとともに、そんなチューニングもあったあったと、すっかり忘れていた。
で、オクターブ・チューニングもしてみた。12フレットと開放弦の音を合わせるってやつ。
めんどいなぁ〜って思ったが、びっくり。8年ぶりくらいにやったのに全部ちゃんと合ってた。
おお奇跡！というかそういうもんなのかな？
で、弾いてみる。
うお。やっぱり指が動かない！
全然弾けねー！！！！
と、ひたすらドレミ〜を練習すること30分。
だんだん動くようになってきた。
リハビリのため、Mr.BIGのGreen-Tinted Sixties Mindを練習。
小一時間ほど練習。おおっ、ちゃんと弾けた。
で、大学時代によく弾いていたアングラのキャリー・オンを弾こうと練習してみる。
うおっ！全然指がついて行かない。
思った以上に退化していたみたいね俺。
というか、よくこれが弾けてたな〜、と大学時代の俺を尊敬している俺。
でも、2時間ほど弾いているうちに、あっ練習したらできるかも、ってレベルまでに至る。
でも、まだまだ原曲のテンポにはついて行けない。
というか、指が痛くなってきた。
当時は10時間近くギターを弾いてたときもあったのに、たった4時間ほどで左手の指が痛くなってきた。
今気付いたけど、左手の指先がものすごくやわらかく普通の指先に戻ってた。あれ、もっと皮が固くなってたのに。ギター弾いてないと元に戻るんだなそういうのも。
ちょっと弾いただけだが満足した。
あぁ俺もライブしてーなー。
