【勉強の記録】民事系8時間論文作成【残り363日】

少なからず、受験生がこのブログを見てくれてたのがわかったので、これから自分みたいな受け控えした人のためにも勉強の記録をつけていこうかなぁとか思っております。


今日は昨日できなかったH18民事系大問(会社法)と、プレ民事系の論文を書いた。
プレの大大問は時間がオーバーした。もっとも、大問(民訴)は1時間15分で書けたため(プレ民事系=大大問が4時間21分で合計6時間論文作成)、結局、8時間弱くらい論文書いてた。
プレ民事系大大問は、「こんなの4時間で解けるの?」って前々から思ってたけど、プレは6時間ぶっ通しの試験だったんんだな。なんか大大問と大問(民訴)のバランスが全然ちがうなって思ってたら、併せてちょうどってことか。
こんなの知らなかったなんて、すでに2回も試験受けた者の言うセリフではなくて恥ずかしい。けど、正直、プレは一回しかちゃんと時間を計って答案書いたことなかったという告白。
それにしても、プレの短答は結構細かいな〜って印象だったけど、論文民事系は簡単だったんだな。
もっとも、内容的には不十分なったなと、法学教室に載ってた伊藤先生の答案をみて思い知らされた。というか、すげーよ伊藤先生。


たった5日連続の民事系論文過去問だったが、6時間の論文作成もなれるもんなんだなぁと、今更ながらに思った。
今日なんか8時間書いたけれども、いつもの6時間の感覚。
普段から2週間に1〜2回は書いていたものの、ぶっちゃけ時間がとられることと、論文を書くしんどさから、今まで論文作成から逃げてきてところがあったんだなぁと改めて痛感した。


たった5日だったが、少しでも、苦手な科目の、しかも苦手な論文に慣れてきたと思うと、なんか後の公法とか刑法は気持ち的に楽になった。


年始に論点解析知的財産法という知財の演習書を使って、1日90分で毎日論文作成してたった一回まわしただけだったけれど、これのおかげで著作権法の条文の扱い方がかなり身についた。
その効果は劇的だったみたいで、2回目のスタ論に至っては成績優秀者に番号のっててかなりびびった。
やっぱり、一通り論文を書く「慣れ」みたいなのって、すごく必要なんだな〜。と、三十路になって改めて実感。あぁ、ヴェテでありながら今更な発言。

論文作成対策――規範定立とりあえず書いた作戦

書くスピードが遅い。これが今のところ最大の課題。時間とバランスの問題はすごく重要だ。
プレの民訴解いてて再確認したけれど、問題によっては、すぐに答案作成することができるのがある。
プレ民訴の場合、問1では

①補助参加の利益の判断基準を示してから、②事案に則して説明せよ

だったので、このうち①については事実の概要等を読まなくても、すぐに書くことができる一般論。何も考えずに、とりあえず参加人の立場にたって規範定立(「訴訟の結果」は判決理由中の判断も含む)する。
たぶんこれのおかげで、民訴は1時間15分で終了したんだろう。問2も設問と裁判例読むだけで、一般論として何を主張させたいかわかったし。
しかも、答案構成に規範をメモする時間も省略でき、さらに答案構成の中途半端なメモに頼らないで、答案を参考にしつつ、事実を拾っていけるので、かなり時間を短縮できた。
こういうやり方は、公法の行政法の場合よくやってた。だいたい設問1は、一定の訴訟要件の検討から始まる。しかも、それが処分生や原告適格なんかだと書くことは決まり切っているので、いきなり答案作成開始。こんなやり方だったが、行政法はスタ論でも結構成績がよかった(自分的に)。


そもそも自分の場合、答案構成の作成がヘタなんだろうな。なんとかしないと。
まぁでも、ヒアリングでも書かれていたが、一般論を縷々論じることは不要って問題もあったから、最近の問題にはあまり有用ではないかもしれない。
しかし、そんな問題でも、規範定立なきあてはめなんてものは存在しないわけで、端的に規範をまず書くことができれば、やっぱり時間短縮につながりそうだ。
ただ、その前に、「問題の所在」を発見することが難しい問題もある。そんな問題では設問を読むだけでは、定立すべき規範を選択すること自体がちょっと難しい。
もっとも、そんなときのために修習生の会話があるのだから、規範定立先順位作戦は結構使えそうだ。
まぁ、プレ民訴みたいなあらかじめ基準を示して、みたいな問題でない限り、問題の所在をまず探す必要はあるけど。
そういえば、一回解いた問題にもかかわらず、問題の所在を外してたのがあった。復習がしっかりできていなかった証拠だな。ヒアリングのダメだしが俺そのものだったし。


あと、難しい問題H21の会社法とかは、とにかく問題の所在を発見することに努めて、後は矛盾なく三段論法を展開することだけを考えよう。規範も定まったものがあるわけでもなく、結論も判例・通説があるわけではないのだから、そういうところでリーガルマインドを発揮しなきゃダメだ。リーガルマインドってなんだよそれ、って話だが…まぁとにかく法的に矛盾なく書くことだけだ。
今思うと、何が基本って思う。あんな会社法の規則まで知ってる奴がどれだけいるんだ。そして、ちなみに俺のロースクールでそこまで習った覚えはない。民事系1位の人も知らなかったというのだから、あれを基本と思う考査委員はどうかしてる。
がしかし、議決権行使書面自体は知ってるわけで、その性質やらどういう機能を果たしているやらという点は基本事項だといえる。議決権の代理行使も。そう考えると、問題の所在さえなんとか把握できれば、結局、その意義、趣旨、機能等から一定の(試験的には正解の)結論は導くことができた……かも。
そのまえに時間がないとどうしようもならんけどね。

民事系過去問検討の感想

ヒアリングを読んで、考査委員が満足してない点は、この一言に尽きる。

当てはめの能力が弱い

これだ。
毎年、全科目で指摘されるポイント。
原因を考えた。
1 要件・規範定立部分の不理解
そもそも、規範定立ができていない、もしくはそこで示された要件の意味を十分に理解していないという点。
規範なき当てはめなんてないわけで、そもそもここでつまづくと当てはめはもはや感想文になってしまう。
2 時間足りない
俺によくあるパターン。どれが要件に当たる事実なのかを探すのに時間がかかり、その結果、時間不足となり不十分な事実の指摘でフィニッシュ。しかし、法規範、要件、制度・趣旨の理解が十分だと、必要な事実(主要事実・間接事実)、無関係な事実の峻別も早くできると思う。それゆえ、原因2は原因1とも関係しているんだろう。
3 三段論法(新聞紙)ができてない
【規範定立】A→B(規範)
【当てはめ】C(事実)→B→A
この「C→B」の際に、Cは、「〜だから」Bといえる。「〜だから」という評価がない場合、「C→B」の部分が成り立たないんじゃないか?と思われる可能性がでてきて、その結果、不十分な当てはめと判断される。
まぁ、これはよく言われてるわけで。でも、全部の要件について、「事実引用→評価→結論」を書くのは時間的に難しい。そこが問題だ。重要で問題となるところは説得的に書く必要がある。それ以外の要件でも、たまにちっさい論点がまざってて気をつけなければならないときもある。そういうときは、書き方を工夫しなければならないためやっかいだな。
ちなみに、「新聞紙」とは
「し→ん」【規範定立】
「ぶ→ん→し」【あてはめ】
ということで、法的三段論法を表す表現となっているのだ。新聞紙すげー。


対策としては

①規範定立で必要最小限度の論証暗記+基本書で理解
判例読み込みで当てはめのやり方を理解
③新聞紙を答案書いて実戦する

と、まぁ当たり前の勉強方法に行き着くわけですね。


でも、ヒアリング読む限りでは、結局、これをきちんと実戦できてる人って少ないんだろうな。
確かに、8科目これをすべてきちんとなんて、ロースクール行きながらでは不可能だもんな。
となると、効率的な時間の使い方ということですな。
作戦としては、広く浅くではなく、必要最低限(それでも広いけど)の部分を正確に理解するという方法でいこうと思う。
うすっぺらい不十分な知識ほど有害なものはないということを、択一・論文を通じて思い知らされているから。
今後は、優先順位についてはコアカリキュラム使って、最低限必要な部分を詰めていこう。