【勉強の記録】緊急避難的な趣旨から論証【残り360日】

昨日は、久しぶりに梅田に行って、参考書と演習本を買った。

最近、勉強が終わって寝ようと思っても、パソコンで色々資料を見てたら朝になってたりして夜型になりつつある。
今日も起床したのは午後1時。俺の早朝を返せよと思った。

趣旨から論証

過去問の検討が一段落した民事系。14日金曜日から法学教室の民訴の演習を解いてます。
今更かもしれない話だけど、趣旨から論じること!と予備校なんかの答練では指摘されることがある。
自分も、よく師匠から
「論証は、趣旨からというのが基本」
と指摘された。
これは、ヒアリングを見ても、「基本事項の理解が不十分」という指摘から、基本事項から論じること、つまり制度趣旨から論じるという点が有用ということからきてるのかなと。そうすると、「基本事項の理解を示す」という意味じゃ、趣旨から論じるということが答案戦略的に正解だなと思う。
もっとも、その趣旨もあやふやだったため、まず趣旨の暗記をしなければとか思ってたけど、最近は、そういう記憶が曖昧なときの対処法がわかってきた。というか、これが成功しているかわからないけど、緊急避難的には有効かなと…
まぁ、その方法は、条文の要件効果という理解を前提とするが、それは条文を読めば解る。そうすると、なんとなくぼんやりな趣旨の理解からでも、それなりに論証できるんじゃないかって感じ。
その方法というのは、条文が規定してる要件・効果に着目。
わかりやすいところで、民訴142条の二重起訴の禁止で考えると、

要件
 ①裁判所に係属する事件について
 ②更に訴えを提起
効果
 ②の訴え禁止(不適法却下等)

ということで、条文の規制する内容(効果)とそのための手段(要件)が見えてくる。これを一言で言うと、「重複訴訟の禁止」。要件は「重複訴訟であること」(要件①②を満たすこと)、効果は「その禁止」(その具体的内容は色々あるが、制度の大枠として法が重複訴訟を禁止しているということはわかる)。
そこから、ぼんやりな理解だった趣旨を思い出す。何を「目的」に、重複訴訟の禁止(手段)をしてるんだろ?って。なんか違憲審査基準みたいな感じ。

重複訴訟→重複審理→相矛盾する審判の可能性

と結びついていけば、最低限「重複審理や相矛盾する審判の回避」ということくらいは出てくるはず。もちろん「被告の応訴の煩」や「訴訟経済」っていうのもあるが、論点の解決に必要な制度趣旨の理解は、重複訴訟による判決の矛盾判断の回避が出てくれば必要にして十分じゃない?
この方法は、条文の要件効果の理解から出発する。そこでは、条文の見出しが役立つと思う。会社法なんかだと、括弧書きとかができてき要件の把握がやっかいだったりするけれど、条文の見出しをみればその条文の内容が容易に把握できる。
この二重起訴の禁止でも、見出しに「重複する訴えの提起の禁止」と書かれており、これを利用すると、

142条の趣旨は、重複する訴え提起を禁止し、もって判決相互の矛盾抵触の回避するところにある

くらいは、暗記してなくても書けると思う。
汎用性あるフォーマットとしては

○○条の趣旨は、(見出し)、もって(目的)

って感じか?


ということで、二重起訴の禁止の趣旨みたいな基本的なことならみんなわかってるかもしれないけれども、むしろこの方法は行政法の個別法の解釈で有用だったなと、答練を受けてきて思った。


まぁ緊急避難的なものだから、ちゃんと制度趣旨・内容の理解とキーワードの暗記をしなければならないけれども…
でも、有効な緊急避難手段を確保するためにも、日々の勉強で、条文の趣旨・目的を意識しながら要件効果を把握するというのは、試験対策としては正しいかなと。ぶっちゃけ、あと1年といっても時間は有限ゆえ、この緊急避難手段を使いこなせるくらいでいいかなと思ってる。論文作成的には。それより、当てはめである。
まぁ、当てはめにおいても、要件・効果、趣旨・目的の理解がなければ、正しく、かつ、素早く事実を「摘示→評価→要件該当性の結論」を示すこともできないと思うので、どっちにしても試験的に制度趣旨の理解は必要なことなんだなというのが結論でした。



そして、これは論文だけじゃなく、択一でも有効な緊急避難手段だと思う。



この前の全国模試や総択を友達と検討したときにも感じたけど、ぶっちゃけ択一知識を全て網羅して暗記するなんてあたくしにとってはそりゃムリな話。
そんな感じでやさぐれていたあたくしを救ってくれた師匠。
やっぱり合格者の話は参考になった。
そこで言われたことは

俺(合格者)とおまえ(不合格者)の知識量の差なんか五十歩百歩

H20本試験で100点近く択一の点差がある俺(択一落ち)と貴様(合格者の俺の師匠)の知識量に対した差がないだとッッ????
俺から言わしたら「は????何言ってんだYO!!!???」と、上位合格者もアホなこと言うなぁ、って思ってました。
だって、普通に考えて、100点分の知識量の差があると考えるわけで、択一で100点上げるなんて、ものすごい知識量の差じゃないか!!!!
そう考える自分は決して間違っていないと思っていたが、どうやらそうじゃないみたい。
H20本試験で300点程度を取った友人の猛者2人(内1人はうちのローで1番だったと思う)に聴いてみると、択一対策は真逆の2人だった。
その一方の俺の師匠は、肢別派だった。
今思い返すと師事されて学んだのは、最も可能性の高い正解となる選択肢を選ぶスキルだったような気がする。
その方法は、要約すると、解らなくて切れなかった肢を、論文と同様に制度・趣旨から考えて、両者の正誤を比較検討するというもの。
それまで択一が苦手だった自分が、まぁ今も苦手だけれども、それなりに成績が上がったのはこの方法のおかげだったと思うので、制度・趣旨を意識した勉強は論文だけでなく、択一にも反映されると思う(まぁ反映するのは科目にもよると思うけど)。
実際、平均以下しかとれなかった友人が、この具体的なやり方を自分が教えられたように教えたら、それ以降、平均+10〜30点を取るようになったのをみて、「知識量の差なんか五十歩百歩」という師匠の言葉の意味を1年半ほどしてようやく知ったような気がした。実際、友人は当時の俺と同じ誤った解き方をしていたし。
友人は解き方を教えられた通りにやっただけで、自分の実力が上がったとは思ってなかったので、成績が上がったという事実に関して実感していなかったようだった。けれども、これまで常に模試では平均よりマイナス20〜30点だったのが、最後の模試2回とも平均よりプラス10〜40点になってなっていたというのは事実だったわけで、2週間程度で30点〜70点の知識を獲得したとは考えにくい。



まぁ、それでも正しい知識ほど強い武器はないというのも事実。
今一番欲しいアイテムは暗記パンである。しかし、残念ながら俺の身内に猫型二頭身は存在しないため、手に入れるのが困難である。