中3が集英社に損害額20億円与えた?の巻

中3悪質投稿 被害20億円!「You Tube」初摘発

6月15日8時1分配信 スポーツ報知


 京都府警ハイテク犯罪対策室は14日、人気漫画「ONE PIECE」などを、雑誌の発売前に動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」にアップロードしたとして、名古屋市中区に住む中学3年の男子生徒(14)を著作権法違反の疑いで逮捕した。府警によると、ユーチューブへの違法投稿の摘発は全国で初めて。雑誌を発売前に手に入れ、投稿を繰り返していた。被害額は概算で約20億円とも見られ、同対策室は雑誌の入手経路などを調べている。


 悪質な違法投稿を繰り返していたのは、まだ中学3年の少年だった。京都府警によると、逮捕容疑は昨年12月22日から今年2月9日まで4回にわたって、自宅のパソコンから漫画4作品を著作権者の許可なしに投稿した疑い。府警の捜査員がサイバーパトロール中に発見。逮捕容疑を含め、計30作品、118話分を投稿していた。


 男子生徒はページごとにデジカメなどで写真を撮影し、ユーチューブに投稿。数秒ごとに画面が変わり、物語を読むことができるようにしていた。一方で「漫画ネタバレ情報局」と題した自身のブログやツイッターでアクセスを促し、出版社から削除や警告を受けても新たなIDやパスワードを何度も取得して再投稿。府警は悪質性が高いと判断し、逮捕に踏み切った。


 投稿した動画は800万回以上閲覧されていた。「雑誌が1冊240円〜260円とすると、単純計算で約20億円の被害額になる」と京都府警関係者。14歳が与えた経済的被害の大きさに驚いた様子だ。


 漫画はほかに「週刊少年ジャンプ」(集英社)掲載の「NARUTO」「銀魂」、週刊少年サンデー小学館)掲載の「Major」。いずれも人気作品だが、男子生徒は、発売済みの漫画ではなく、掲載誌を発売前に事前入手して違法投稿していた。「ジャンプ」の場合、月曜日発売だが、前日や前々日に手にするどころではなく、4〜9日も前に入手。発売日の翌日に早くも翌週号の内容を投稿していたこともあったという。


 生徒は容疑を認めているが、入手経路や動機などについては口を開いておらず、謎のまま。府警はパソコンを押収して調べている。


 「ネタバレ情報局」のブログは佐賀県の高校1年の男子生徒(15)、沖縄県の中学3年の男子生徒(14)と共同管理しており、府警などは違法投稿の認識があったか2人から任意で事情を聞くとともに、逮捕された男子生徒に共犯者がいなかったか捜査を行っている。


 ◆ユーチューブ インターネット上に無料で動画を掲載、閲覧できるサイト。2005年に米国で始まり、急速に広がった。漫画の画像やテレビ番組などの動画を無断で投稿する著作権侵害が問題となっており、運営者側は削除などの対策を進めている。一方で、映像業界や官公庁がPR戦略として動画を提供し、積極的に活用する動きもある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100615-00000038-sph-soci

立ち読みで済ます人も視聴してるわけで、「再生回数=損害分」という図式にはならないから20億円という損害はでたらめ。
しかも、キャッシュが残存している場合、複数回再生しても再生回数がカウントされないということもある。逆に、たまたまキャッシュを残存させずに毎回ダウンロードしている場合には通常以上の再生回数がカウントされることもある。
このような偶然に依拠する要因がある「再生回数」の特性を考えると、損害算定における「再生回数」の意味は希薄なものでしかない。


ネットを通じた著作権侵害は容易で、かつ広範囲にわたるのが常だ。これは、コピーが容易というデジタルの特性。
以上のように、その額を算定するのはかなり難しそう。
今回は、損害賠償ではないから厳密な損害及びその額は、厳密に算定されて判断されるわけではない。
ダウンロード違法化も始まって半年、今後、民事上の救済をどう実現していくのかが課題っぽい。