【ねじれ国会】民主党的に選挙に負けて何が問題になる?の巻【国会運営】

去年、民主党衆議院議員の総選挙で大勝ちし、与党になった。
そして、今月、民主党参議院議員選挙で負けて過半数を占めることがでなくなった。


その結果、政権を握る民主党は、衆議院では過半数を占めるが、参議院では野党が過半数を占めるという、いわゆる「ねじれ国会」の現象が起こってしまった。


ということで、せっかくなので勉強も兼ねて、ねじれ国会の問題点が何か考えてみた。


こういうときは、まずウィキをチェック。
wikipedia:ねじれ国会
なるほど、結構色々問題が生じるようだ。政権を担当している民主党的には。

国会議員の仕事は法律を制定すること

その前提として、そもそも国会は憲法で定められた重要な機関であって、その地位は「国権の最高機関」とされ、「国の唯一の立法機関」と位置づけられている(憲法41条)。また、「国民の代表機関」としての性格も有する(憲法43条1項)。
要するに、国会は国民を代表した国会議員によって、法律を作ることができる唯一の機関だということが最高法規である憲法で定められているということだ。
だから、国会を構成する国会議員の一番の仕事は法律を制定、改廃することということになる。
国会は、国民の代表する国会議員で構成されているということから、国民の権利を制限したり、義務を課したりする法律を作ることまでできる。
例えば、消費税は国民に対する金銭的負担を課するものであるが、国民の代表機関である国会議員が国会で制定する法律によってそれが可能とされる。法律ってすごいね。


国会議員は、国民の代表として、法律を制定することで民意を反映することが仕事だといえる。そのためには、選挙で当選しなければならないが、それは民意を反映するための手段であって、目的ではない。
にもかかわらず、小沢チルドレンは国会議員になった直後から、小沢の命令で、次の選挙で当選するために選挙運動を頑張らされているとか。
国会での仕事ぶりが次の選挙で評価されるべき点で、地元にずっといることではない。こんなことしてたら、手段と目的が完全に逆転しているといわざるを得ない。

与党がねじれ国会で法律を通そうとする場合の問題

そういうことで、国会の仕事のメインが法律を制定することが目的ということがわかった。


法律は、衆議院参議院の各院で、過半数による可決をもって成立する。
しかし、ねじれ国会では、参議院民主党過半数を占めていないため、参議院で可決することができなくなるという問題が生じる。


ウィキによると、このことについて次のように書かれてある。

法律案の議決


法律案の議決が異なった場合は、衆議院可決案を成立させるためには衆議院で3分の2以上の多数で再可決する必要がある(衆議院の再議決)。そのため、与党が衆議院で3分の2以上の議席を獲得していない場合、与党法案の中には参議院で修正や否決をされ、与党法案が原案として成立できない法案が出てきやすい現象が生まれる。予算や条約の議決自体は衆議院の議決を国会の議決とすることができるが、関連法案が野党に反対され参議院で可決できない場合、事実上予算の執行や条約の発効に支障が生ずる場合がある。与党が衆議院で3分の2以上の議席を獲得すれば、参議院衆議院議決案を否定しても衆議院再議決権を行使して成立させることが可能である。

参議院で否決された法案でも、衆議院で3分の2以上の多数で再可決することで法律を成立させることができる(衆議院の優越)。
しかし、衆議院において民主党は連立を組んでいる国民新党を加えても、その議席数は3分の2に7足りない。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/House_of_Representatives_of_Japan_-_by_Party_%28JA%29.svg/426px-House_of_Representatives_of_Japan_-_by_Party_%28JA%29.svg.png
社民党議席7のためギリギリ3分の2にとどくものの、仮に連立を組んで再可決が可能となったとしても、参議院で否決されたものを再可決という強硬手段で可決させることは実際のところかなり難しいと思われる。


そこで、民主党的には、衆議院の再可決という手段によらず、参議院において過半数を占める方法を考えることになる。
参議院議員選挙の結果、その勢力関係は次のようになった。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e1/Japanese_House_of_Councillors_election%2C_2010_ja.svg/600px-Japanese_House_of_Councillors_election%2C_2010_ja.svg.png
民主党と連立を組む国民新党を合わせても109議席
議員数定員242で欠員が1と議長の分を引くと総員は240。なので、その過半数の120に与党は、11議席足りない。
そこで注目されているのが今回躍進した11議席を有するみんなの党と、19議席を有する公明党。ここが与党にくっつくと、なんとか参議院で法案を通すことができそうだ。
だがしかし、

「民主と連立せず」とみんな・渡辺氏=山口公明代表「政策提言を推進」−参院選


 みんなの党渡辺喜美代表は10日夜、同党が連立政権に加わることに期待する声が政府・民主党内から出ていることについて、都内で記者団に対し「組まない。偽装改革勢力と一緒にやるつもりはない」と明言した。
 その上で、渡辺氏は「われわれがキャスチングボートを握って議員提案(議員立法)を繰り返すうちに、自民党民主党もばらけてくる。政界再編につながる」と強調した。
 公明党山口那津男代表も、埼玉県所沢市内で記者団に「(与党が)過半数を割るようなことがあれば、国民の信頼を得られなかったということだ。われわれとしてはその民主党政権と連携をすることは考えていない」と述べた。同時に「党独自の政策提言を推進していく立場を取っていきたい」と語り、政策課題によっては協力もあり得るとの考えを示した。(2010/07/10-22:46)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201007/2010071000309

ということで、いずれも連立を組むことを否定している。

安倍内閣福田内閣の退陣につながっただけあって、法案通すだけでも与党はかなり大変そう。予算を組んでもその執行に必要な法案が通すことも難しくなりそうだし。


ということで今後、どうやって民主党は国会を運営していくのか。混迷を極めている。