【ねじれ国会】なんで議長を誰にするかでもめてんの?の巻【議長の権限】

江田参院議長交代へ=後任に輿石氏ら浮上―民主

7月14日12時14分配信 時事通信

 民主党は14日、参院議長人事について、江田五月議長を交代させる方向で調整に入った。参院で与党が過半数割れする中、通常国会での江田議長の議会運営に野党が反発しており、円滑に臨時国会に入るには議長の交代が必要だと判断した。後任には輿石東参院議員会長や西岡武夫議院運営委員長が浮上している。
 参院では議長を第1党から選出する慣例があるが、参院選の結果、野党が参院で多数を占めることになったため、連携して議長ポストを獲得しようとの動きがある。しかし、公明党は慣例通り議長を第1党の民主党から選出すべきだとの立場を崩しておらず、野党の足並みがそろっていないため、実現は困難な情勢だ。 

議長を誰にするのかでもめております。
議長は、議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する(国会法第19条)。
要するに、議院運営を主宰する権限を持つ者ってこと。法案の議決で可否同数の際なんかだと、議長が最後にその可否を決することもできる。
そんな議長なわけだが、だれが議長になるのかということの何が問題かというと、以下の議長による強行採決の横暴の事実をみればわかる。

強行採決と民主主義の危機

2010年5月29日 16:30


普天間問題の陰で、郵政法案が強行採決された。

もともと小泉内閣の時に、莫大な審議時間をかけ、解散、総選挙までやって決めた改革をわずか数時間の採決でひっくり返した。

数日前までは、与野党の国対間で、この法案はこの国会ではやらないということになっていた。とても審議時間が足りないからできないという認識は一致していた。

ところが小沢一郎幹事長が郵便局長さんを相手に一言言ったとたんに、民主党はしゃにむに強行採決だ。

僕がまだ、当選一回の時、やはり強行採決があった。委員会の控え室に一回生が動員されて詰めかけると、当時の野党の先輩議員が、控え室で、ほら自民党の若いのが先に並ばなきゃ、君たちが先に出ていって委員長を守る、マイクも守れよ、野党は後ろから、声はいくらでも大声出していいけれど、ケガしたり、ケガさせたりということがないようにやるんだよ、エキサイトしてたたいたり、蹴ったりしちゃいかんぞ、と事細かに注意していた。

自民党時代の強行採決は、その前に必ず相当な審議時間があり、参考人招致などもやり、その上で、野党としては立場上、採決に応じられないので強行採決でやってくれというやりとりがあっての強行採決だった。決してほめられたことではないが、与野党の意思はそれなりに通じていた。

しかも、いい加減にやると、議長が本会議のボタンを押さないという心配もあった。だから本会議に少なくとも共産党は出席するという状態を作り出さなくてはならなかった。

たしかに多数決をやれば、多数が勝つわけだが、少数意見を常に踏みにじることをしてはいけないという自制があり、国会の慣例があった。
時間がかかるというのは民主主義のコストだ、そこは丁寧にやらねばいかんというのが与野党共通の認識だった。

これを崩したのは、小沢−山岡のラインだ。数がすべてという国会運営になった。

自民党の時は、少なくともこれだけの審議時間を確保するとか、委員長が職権で会議をたてる前に、筆頭間協議を何回もやり、理事懇と理事会を丁寧にやった。

僕が法務副大臣だったときの法務委員会は委員会よりも理事懇、理事会のほうが長いなんてざらにあった。そして、さあいよいよ強行採決というときに、自民党の幹事長が議長に呼ばれ、強行採決はまかりならん。

今や、委員会の審議が1日でも強行採決。委員長が職権で2日分の委員会をたてるということを平気でやる。議長は、なにもしない。これでは発展途上国の軍事政権の国会運営ではないか。

自民党もやってきたでは済まされない。
全く内容が違う強行採決だ。日本の民主主義の危機だ。

福島罷免よりも近藤昭一委員長の横暴、もちろん、小沢、山岡の指示の下ではあるが、のほうが罪は重い。

民主党の中にも藤村前厚労委員長のように、強行採決に反対し、更迭された委員長もいる。体調を理由に辞任したことになっているがそれは嘘で、強行採決に反対して解任されてしまったのだ。

福島党首も沖縄のことであんなにかっこいいことを言うならば、国会の強行採決のことでもっと発言するべきだった。
マスコミも、普天間基地もいいが、国会運営に関して国民にきちんと報道していかないと、ヒトラーが政権についたときにようになりかねない。

だからやはり、参議院はきっちりとねじれさせないと。
http://www.taro.org/2010/05/post-760.php

以上は、河野太郎衆議院議員のブログ。
委員会の委員長によって強行採決がなされたという話。しかも、あの小泉政権下で大きな争点とされた上で成立した郵政法案を改正する内容。
今回問題とされてる参議院議長は参議院の話で、委員会の委員長とは異なるが、むしろ国会の手前にある委員会よりも参議院議長の方が重要だともいえる。

これがそのときの動画。

これを見ると、長の運営1つがすごく重要だということがわかる。
両議院議長は、公平さを期す為に自分が所属している会派を離脱して、無所属で活動することが慣例となっている。
しかし、現在、民主党において、公正さを期すことができておらず、ここにプロセスとしての民主主義は全くない。民主主義は多数派の横暴を肯定するものではない。





結局、参議院での可決ができなかった郵政法案。
今後、与党の民主党が法案を通そうと必死になると思われるが、議長が民主党から選出されると、また強行採決されるだろうことが容易に予想される。


にもかかわらず野党の公明党社民党は、慣例に従って与党第一党の民主党から選出されるべきと主張している。衆参両議院議長は、通常第一会派から選ばれ、副議長は第二会派から選ばれるのが慣例とされている。
参議院議長の交代論は、みんなの党の渡辺代表が口火を切ったわけだが、この問題について野党で一致していない。
与党第一党によるべきというのは、それが民意を最も反映させたものだからという論理なのだろう。
しかし、民主党の大半は去年の衆議院選挙で当選したことによるわけで、直近の参議院選挙で大敗した民主党を、民意の反映された「第一党」と見ること自体がそもそもおかしい。仮に、衆参同日選挙をやっていたとすれば、民主党が「第一党」となることもなかったはずで、たまたま「去年の」民意を数で維持しているだけに過ぎず、それは「現在の」民意ではない。


ということで、今後の議長選びに注目!