民法上の組合と民訴法29条のあてはめ。の巻

民法上の組合でも、代表者の定めがある場合には民訴法29条の適用を認めるのが判例


ただ、法人格なき社団の成立要件と民法上の組合の規定との関係がいまいちわからんかった。

■ 東京地裁平成21年9月15日

1 被告店舗部会の当事者能力について
(1)ア 原告は,被告店舗部会を本件訴えの被告とするところ,被告店舗部会は,法人ではなく,しかも,被告管理組合の下部組織であることから,その当事者能力が問題となる。以下,その点について検討する。
イ 民事訴訟法29条は,法人でない社団で代表者の定めがあるものがその名において訴えられることを許す旨を規定する。
 そして,同条所定の法人でない社団と認められるためには,団体としての組織を備え,多数決の原理が行われ,構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,その組織において代表の方法,総会の運営財産の管理等団体としての主要な点が確定していることを要すると解するのが相当である(最判昭和42年10月19日民集21巻8号2078頁参照)。
ウ そこで,被告店舗部会がこのような要件を満たすかどうかを検討するに,上記第2の1(2)ア(ア)から(ソ)までの事実によれば,〔1〕被告店舗部会は,店舗部分の区分所有者で構成される団体であって,店舗部分の管理に関する業務を行うこと,〔2〕構成員である組合員がその資格を失うことが予定されているにもかかわらず,これによって被告店舗部会が解散する等の定めがないこと,〔3〕一定の重要事項は,被告店舗部会の構成員全員から成る店舗部会総会の決議によって決定されること,〔4〕店舗部会総会の議事は,原則として,出席した組合員の過半数で決められること,〔5〕部会長が被告店舗部会を代表すること,〔6〕被告店舗部会は,独立の会計を有し,店舗部会総会にて予算案及び決算報告の承認を受けることなどが認められるので,被告店舗部会は,上記イの基準を満たすというべきである。
(2)なお,上記第2の1(2)ア(オ)の認定事実によれば,被告店舗部会は,被告管理組合の下部組織として位置付けられていることが認められる。
 しかし,特定の団体の下部組織と位置付けられている団体であっても,上記(1)イの各要件を具備し,上部組織から独立した団体としての実体を備えている場合には,民事訴訟法29条に基づき,その名において訴えられることが許されると解するのが相当である。
 そして,被告店舗部会が上記(1)イの各要件を具備していることは,上記(1)ウの説示のとおりであり,上記第2の1(2)イ(ウ)から(オ)までの事実によれば,被告店舗部会は,店舗部分の管理という固有の業務を有し,そのために必要な固有の権限を有しており,被告管理組合の意思にかかわらず,この権限を行使できることが認められるので,被告店舗部会は,被告管理組合から独立した団体としての実体を備えているというべきである。
(3)よって,被告店舗部会は,民事訴訟法29条に基づき,その名において,本件訴訟の被告となることができるというべきである。

あぁ、なんやそういうことか。
社団組合峻別論を持ち込むことを否定して、民訴上の当事者能力の問題として捉える以上、そのまま要件該当性を検討して判断するってことやね。


ということは、論点では民法上の組合でも民訴法29条の適用あるか?→適用あり→あてはめはいつもの通り。
って感じやから、難しく考えることもなかった。